Firebaseの代替案を検討する理由を考えてみましょう:

  • 中央集権化:Firebaseは非常に中央集権化されており、単一障害点となります。
  • プライバシーの懸念:データはGoogleの手にあります。これ以上言うことはありません。
  • ベンダーロックイン:一度入ると、抜け出すのが難しいです。
  • スケーラビリティの問題:ユーザーベースが増えると、Firebaseの請求も増えます。

これらの問題を挙げたところで、解決策について話しましょう。

Wakuの登場:分散型メッセージングプロトコル

WakuはEthereumエコシステムの一部である分散型通信プロトコルです。プライバシーを保護し、検閲に強い通信を目的としています。つまり、あなたのアプリにふさわしいヒーローです。

Wakuの主な特徴:

  • 分散型:単一障害点がない
  • プライバシー重視:デフォルトでエンドツーエンドの暗号化
  • スケーラブル:数百万のメッセージを処理するよう設計
  • クロスプラットフォーム:モバイル、ウェブ、デスクトップで動作

準備が整ったところで、実際に手を動かしてみましょう。

プッシュ通知のためのWakuの実装

ステップ1:Wakuノードのセットアップ

まず最初に、Wakuノードをセットアップする必要があります。これはjs-wakuライブラリを使用して行えます:


import { Waku } from 'js-waku';

const waku = await Waku.create({ bootstrap: { default: true } });

これにより、Wakuノードが作成され、デフォルトのブートストラップノードに接続されます。

ステップ2:プッシュ通知のトピックを作成

Wakuでは、メッセージはトピックによって整理されます。プッシュ通知用のトピックを作成しましょう:


import { WakuMessage } from 'js-waku';

const pushTopic = '/myapp/push/1';

ステップ3:プッシュ通知の送信

次に、プッシュ通知を送信します:


const sendPushNotification = async (message) => {
  const wakuMessage = await WakuMessage.fromUtf8String(
    JSON.stringify(message),
    pushTopic
  );
  await waku.relay.send(wakuMessage);
};

// 使用例
sendPushNotification({
  title: "新機能のお知らせ!",
  body: "素晴らしい新機能をチェックしてください!",
  data: { screen: "new_feature" }
});

ステップ4:プッシュ通知の受信

クライアント側では、受信メッセージをリッスンする必要があります:


const startListening = () => {
  waku.relay.addObserver((message) => {
    if (message.contentTopic === pushTopic) {
      const notification = JSON.parse(message.payloadAsUtf8);
      // 通知を処理(例:ユーザーに表示)
      displayNotification(notification);
    }
  });
};

細部に潜む悪魔:エッジケースの処理

これを本番環境で実装する前に、いくつかの潜在的な問題について話しましょう:

1. メッセージの永続性

Wakuメッセージはデフォルトで永続化されません。デバイスがオフラインの場合、通知を見逃す可能性があります。これを解決するには、Waku Storeを使用します:


const retrieveMissedNotifications = async () => {
  const messages = await waku.store.queryHistory([pushTopic]);
  messages.forEach(displayNotification);
};

2. メッセージの順序

分散型ネットワークでは、メッセージが順不同で届くことがあります。通知にタイムスタンプを追加し、クライアント側でソートすることを検討してください。

3. レート制限

スパムを防ぎ、公平な使用を確保するために、サーバーでレート制限を実装します:


const rateLimiter = new RateLimiter({
  tokensPerInterval: 5,
  interval: "minute"
});

const sendPushNotification = async (message) => {
  if (await rateLimiter.removeTokens(1)) {
    // 通知を送信
  } else {
    throw new Error("レート制限を超えました");
  }
};

大局的な視点:Wakuが重要な理由

ここまでで、「これはすごいけど、なぜ気にする必要があるの?」と思っているかもしれません。では、イメージを描いてみましょう:

"インターネットの未来は分散型です。Wakuのようなプロトコルを採用することで、私たちは単にアプリを作っているのではなく、よりオープンで、強靭で、プライバシーを重視したウェブの基盤を築いているのです。"

プッシュ通知にWakuを使用することは、氷山の一角に過ぎません。あなたのアプリをより堅牢で、スケーラブルで、ユーザー中心にすることができる分散型技術のエコシステムへの扉を開くことになります。

まとめ:プッシュ通知革命

今日は、Wakuノードのセットアップからプッシュ通知の送受信まで、多くのことをカバーしました。しかし、これは始まりに過ぎません。分散型メッセージングの世界に深く入り込むと、さらに強力な機能やユースケースを発見するでしょう。

次回、誰かがプッシュ通知にFirebaseを使うことを提案したときには、自信を持って「いや、もっといいものがあるよ。Wakuについて教えてあげるよ…」と言えるでしょう。

さらなる学習とリソース:

さあ、プッシュ通知を分散化しましょう!ユーザー(とそのプライバシー)が感謝してくれるでしょう。